今回のセミナーは道徳科の模擬授業提案と学級経営講座を担当。講座を担当するのは初めてだった。まずは、模擬授業の振り返りから。
今回提案した授業は、情報モラルの分野に分類される授業。この分野の授業をつくるのは初めて。能登地震の被災地で、被災地を思う気持ち(善意)からデマ情報を拡散させてしまった人を取り上げた新聞記事を教材化した。
被災地のためにと思う善意からであれば、デマ情報を拡散させるのは仕方ないことなのか(拡散させた人は、拡散させた段階ではデマ情報だとわかっていなかった)を子どもたちに考えさせたかった。拡散させた人には悪意はない。このデマ拡散をどう思うか。
これから子どもたちが生きていく社会は、インターネットやSNSが今よりも発展している社会だと思う。処理しきれないほどの情報、現在よりも加工・編集技術が発展し、よりリアルに感じられるデマ情報やフェイク動画が氾濫するネット社会で、情報を発信すること、転載するということはどういうことなのか。このような社会とどう向き合うのか。このような社会を生きていく上でなにが大切なのか。そんなことを考えさせたかった。
以下、参加者からの感想。
①ごく最近のデータやできごとをもとにタイムリーに授業づくりをされていたのが良かったと思います。情報モラルについてのどうとくは毎年やっておかないといけないと思いますので、良いアイデアになりました。
②今の社会の問題として喫緊の課題、情報選択能力がテーマだったと思います。
③(スライドの)文字が多いので精選しておく必要がある。タイムリーな素材なのでせいとの反応も高かったのではないか。
④タイムリーだし、現代ならではの問題につながる教材で、子どもたちも興味深く聞けたのではないかなと思います。SNSに目を向ける教材はいくつもありますが、今日のはすごく考えさせられました。
生徒にはセミナーの2日前に実践した。一番聞きたかった発問に対する反応は良かった。思考も刺激できていた。しかし、その後の発問と流れが悪く、授業の感想が薄かった。深まった後にぼやけてしまった感じ。ここを改善して、来年度の生徒に実践したい。
以下、師匠のコメントと私が思ったこと。
①スライドの文字と情報が多い。情報が多すぎて、生徒に入らないのではないか。
→文字で伝えた情報は、図化して文字を減らす。情報の量は、思考するのに必要な量なのか、この情報は本当に必要かという視点で見直したい。生徒が受け取れる情報の適切な量を見極めたい。
②能登半島地震はタイムリーすぎて、まだ扱うのは早いのではないか。
→この新聞記事の内容については、これ以上新しい情報はでなかなと思った。ただ、関連する情報がどんどん明らかになってくれば、影響は出てくると思う。来年度実践するとしても、後半以降がいいかもしれない。
自分自身の情報モラルというテーマに関する勉強や先行実践の研究もしていかないといけない。今回の授業は、自分の感性に引っかかったことをもとにつくった。それでも悪くはないかもしれないが、もっとデータ的な知識や研究結果に触れていくと、授業づくりが変わると思う。感性と理論、技術、センス、どれもまだまだ伸ばしていきたい。