2303 ピカソひらめきの原点展へ

長崎県美術館で開催されている『ピカソ ひらめきの原点展』へ行きました。いつも帰省した時に美術館に足を運びます。今回は対馬で勤務している同じ歳の美術科の先生(長崎市出身)と行きました。

 

 

一緒に見ていきながら、色々と教えてもらえました。さすが専門だけあって詳しくてわかりやすかったです。特に版画の技法の名前はピンと来なかったのですが、こういう描き方だよと1つ1つ丁寧に教えてくれました。なるほどと納得して絵を見ると見え方が少し変わった気がしました。

 

感想です。

①シュガーリフトという技法に驚いた。

よくは覚えていませんが、砂糖を使った描き方だそうです。砂糖を使うと言う発想がそもそも浮かんでこないので、これは驚きましたが、面白いなと思いました。筆を使ったような絵になっていました。ちなみに、常設展示展では、卵黄を絵の具のつなぎに使って描いていた時代の絵も見ました。砂糖同様、食べ物を使っていることに驚きました。一緒に行った先生曰く、絵の具と画板をつなぐつなぎの役割を卵黄がしていた時代があったそうです。テンペラという描き方だそうです。食べ物を使って描いていることにやはり驚きます。生徒が使っている絵の具は油や水がこの役割を担っているらしいです。こういうことも教えてもらって初めて知りました。面白かったです。

②アクアチントという技法で描かれた版画の黒に感動した。

これも正直よくは覚えていないのですが、銅板に描く時に使われる技法だったと思います。この技法で描かれた絵を見たときに、絵の中の黒い部分が、滑らかで艶やかだなと思いました。こんな黒を版画で出せるのかと思ったのが驚きであり、感動でした。

③黒ベースの白ではなく、黒ベースの白

私が小中学生の時に美術の授業で描いた版画は、ほとんどが黒でした。描きたいものの下書きを行い、彫刻刀で線を彫ってそこが白く浮かびます。黒ベースの絵に白い線が浮かび上がるというものでした。今日見た絵はほとんどが白でそこに黒い線が描かれていました。黒い細い線を浮かび上がらせていたことがすごいと思いました。

④アートは科学だと思った。

最近、アート×科学をテーマにした本をよく見かけますが、科学的な部分があると思いました。特に一緒に行った先生の解説を聞きながら、計算の部分が見えたり、化学反応を使って描いていたりしたことがわかったので、強く感じました。

 

1時間ほどの鑑賞でしたが、いい時間を過ごせました。

 

美術館のあとは、南山手のグラバー園の近くの喫茶店に連れて行ってもらいました。中学生時代の美術の先生が描かれた絵が飾ってあるらしく、行きたいとのことでした。この喫茶店で食べたカステラアイスと飲んだ幕末コーヒーが美味しかったです。特に幕末コーヒーは、長崎が開港した時に使っていたコーヒーカップの本物を使っており、コーヒーも当時使われていたものに近い豆と当時と同じ淹れ方で淹れたものでした。長崎から酒などを輸出していた時に使われていた波佐見焼の瓶の現物も見せていただきました。良い体験ができました。