719 学校の授業について考えたこと
私が中学生の頃、ある教育教材会社のセールスマンが家にやって来叩きに、「100ページの教科書の中から、入試に必要なことを抜き出すと何ページになると思う?」と聞かれました。
正確に覚えているわけではありませんが、答えは「8ページ」ぐらいだそうです。
その時は、高校入試に合格したかったので、とてもお得な問題集に見えました。
今、ある会社の教科書を使いながら、来年の教員採用試験の社会科の試験の勉強をしています。
8ページほどかはわかりませんが、確かに、入試問題でよくみかける内容に関することは、そこまで多くはないと思います。
中学校を卒業すると義務教育が終わると言っても、多くの生徒は高校進学を目指しますから、入試をまったく意識せず、授業を行うことはできないと考えています。
しかし、入試ばかりを意識しすぎると、それは、塾の講義となんら変わらないものとなってしまうような気がします。
教科書の本文を見ていくと、太字になっていない文章や、太字になっていても入試問題ではあまり見かけないものもあります。
これらは入試には出ないかもしれませんが、これからを生きていく上で、知っておくべきことだと思います。なので、授業で、しっかりと教える必要があると思いますし、このような部分をもとにして、何かを考えるという活動などを授業の中で行うことは必要なことだと思います。
このようなところに、進路を実現するための効率の良い学習をする塾ではなく、学校の授業が存在する意味があるのだと思います。
これまで、高校や大学の入試、教員採用試験、各学校段階での試験を受けてくる中で、私の勉強自体が試験対策型の勉強になっていました。試験が多く実施される環境の中では仕方のないことかもしれません。最近、じっくりと教科書を読む中で、試験に出ないことでも、教科書に書いてあることには大切なことがたくさんあると気づきました。気づくのが遅いのでしょうが、現場に出る前に気づけたことは良かったと思っています。
そこを授業の中で削ぎ落としすぎないようにしたいと思います。
こういうことは、当たり前なのかもしれませんが、最近、やっと考えられるようになりました。
まだまだ授業の意味とは何かなどに対する考えが浅いところがありますが、少しずつでも深めていきたいと思います。