490 何をどこまで教えなければいけないのか

社会科の授業を作る時の話です。


授業では、教科書を教えなければならいとY先生に教わりました。


学校教育法34条に明記されている通り、教科書には使用義務がありますし、教科書は、法のピラミッドに位置付けられている学習指導要領に基づいて作成されているからです。


さて、教科書を教える授業を作る中で、何をどこまで教えなければならないのかということが疑問になりました。


まず、授業を作る時に着目するのは、教科書に書いてある本文です。では、この本文に書いてあることの何を取り上げて、どこまで深い話をすればいいのでしょうか。

授業で取り扱う内容の取捨選択と深め具合に関する疑問です。


一つの基準となるのが、高校入試の過去問です。多くの生徒が高校入試を体験するでしょうから、この基準は外せないものです。この基準を意識すると、高校入試問題の過去問研究をして、そこから頻出の問題に関わることに時間をかけて授業の中で取り扱うようになります。


高校入試を意識すると、本文の中の太字の学習用語とそれに関わる技術や知識、地図上の位置、関連するものを中心に取り上げた授業になります。


その他の基準としては、教える教師のこういう力をつけて欲しい、こういうことを知っていて欲しいという願いのようなものもあると思います。これは、教材研究から生まれてくるものだと思います。


今は、この2つしか内容の取捨選択と深め具合の基準が浮かびません。


もちろん、何をどれだけ取り上げるのかだけが、授業を作る際に大切なわけではありませんが、これがある程度明確になっていなければ、教えないといけないことを教えず、教えたいことを教えるということが起こってしまいます。そのために、このことについてしっかり考えることが大切だと感じました。


授業の作り方、学習活動の取り入れ方、発問作り、教科書研究の仕方、教育方法…。授業作りについては、学ばないといけないことが多くありますが、これらは、授業で扱う内容の取捨選択と深め具合が決まった上で、考えないといけないことではないのかなと思います。