139 8冊目『女子高生の裏社会「関係性の貧困」に生きる少女たち』

2016年50冊読破目標の8冊目です。

 

仁藤夢乃さんの『女子高生の裏社会「関係性の貧困」に生きる少女たち』(株式会社光文社 2014)読破です。

 

JKリフレやJK散歩といういわゆるJK産業に関わる女子高生たちの生の声を仁藤さんが紹介しています。

 

私が女子高生たちに持ったイメージは「優しい」「素直」「まじめ」というものです。しかし、同時に社会を知らない、男性を知らない未熟な者だとも感じました。

最初のイメージとは違い、親や友達との仲も良好で経済的にも安定している家庭で生活し、成績も優秀な子がこの産業に関わっていることに驚きました。

 

登場する子たちに対して思ったのは、心のどこかが満たされていないんだろうなという事です。ここが「関係性の貧困」なんだろうなと感じました。

 

さて、JK産業はそれを求める男性がいて成り立ちます。何か問題が起こるとき加害者になるのはたいていの場合男性です。子どもや女性に被害にあわない教育をする一方、男性が加害者にならないための教育も必要だと改めて考えさせられました。

 

教師として学校でできることは、「生徒としっかり向き合うこと」。学びました。しっかりと話を聞くだけできっと生徒は「関係性の貧困」に陥ることはないんだろうなと感じました。また、一人の男性として考えさせられるものがありました。

 

物質的に豊かになってきた社会において「関係性の貧困」について書かれているところが、今の社会の実態を表しているんだろうなと思いました。ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。JKの本音が書いてある分、感じるものが多く、仁藤さんの思いも伝わってくると思います。


女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)

女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)