1586 育てる

飲食のアルバイトに入った時、大学生の子たちを見て思った。


教えることと育てることは別のことなんだなと言うこと。


ということを、書いた今、「あ、教育だ」と思った。


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教えること。


全く何も知らない状態の人にこれはこうするんだよと教えるということ。乱暴な言い方をすれば、教えたらそれで終わり。それでも教えたことになる。


アドバイス。これもどちらかというと教えることになるのではないのかなと思う。その人の現状を見て、こうしたらいいんじゃないかというふうに伝える。これも、乱暴な言い方をすれば、伝えればそれでいい。アドバイスしたことになる。


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じゃあ、育てるとは何か。自分が思ったのは、教えたことをその人ができるようになること。そして、できるようになったことのレベルが上がること。質が上がることと言ってもいいかもしれない。


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例えば、2人のお客さんが入ってきたら、2名がけの席に案内すると教えたとする。


教えるという部分はここまで。


じゃあ、実際に2人人が入ってきた。教えてもらった通り、2名がけに案内する。


これで一応OK。教えてもらったことを教えてもらった通りにできている。問題はない。


しかし、問題はないが、ここまでで止まってはダメである。教えてもらったのレベルのままである。


教えられたことが教えられた通りにできるようになったら、次はその人を育てなければならない。


2人のお客さんが入ってきた時、お店の4名がけは空いていないかと店内の状況に合わせて、お客さんを2名がけに通すのか、4名がけに通すのか判断できるようになると、仕事のレベルは上がる。


他にも、お客さんがたくさんの荷物を持っているのか、足が悪い様子なのか、小さな子どもさんとお母さんの2人なのかなどによっても、どの席に案内するかを判断しなければならない。


2人のお客様でも、相手の状態によって、案内する席を変える。この判断ができるようになると少しレベルが上がる。


育つとはこういうことだと思う。


まぁ、もちろん、この席を案内するということついても、この上のレベルもあるが。とりあえず、例はここまで。


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では、育てるためにはどうしたらいいか。


①様々なケースを想定したロープレ

②実際にやらせる

③アドバイスをする

④できたこと、良いことを褒める


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考えては見たものの、難しい。点の指導で終わってしまいそうな気がする。


そうならないためにはある程度の頻度で一緒に仕事をすることが必要なのだろうが、まぁアルバイト同士だからそうはいかないかな。


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でも、これまで以上に「育てる」ということに対して意識できるようになったことが大きな発見であり、気づきだった。


それは、自分の授業や日々の指導に対してもそう。


自分は「教える」ということに対しては認識していて、それをどうやればいいかということを考えられていたけど、「育てる」の部分に対しては認識できていなかったんだなと思う。


今日、はっきりと「あぁ、なるほど、自分は育てるということをやっていなかったんだな」と痛感した。そこで、「育てる」というキーワードが頭の中にはっきりと浮かんだ。


「教えること」と同時に「育てること」をきちんと考えて、どのようにやっていくのかを考えないといけないんだなと、はっきりとした課題意識を持てた。そこが今日の大きな収穫。