243 部活指導

部活動の指導とは評価とアドバイスから成り立つと考えます。


どの部活でも試合やコンクールがありますら、順位や勝ち負け、優劣がつきます。まずはその結果について評価をしなければなりません。評価は、勝ったり、成績が前回よりも伸びたら褒める。負けたり、成績が前回よりも悪かったら、ここがダメだったということです。時には叱ってもいいと思います。ただし、怒ってはいけません。負けという結果に対して、自分の感情を入れてしまう指導者は指導力不足です。

そして、勝っても負けても、次につながるアドバイスをしなければなりません。今回は勝ったけど、もう少しここをこうすればいいとか、負けた時はここがダメだったから負けた。次の試合までにここをこう改善しようと言うものです。


私が出会ってきた剣道の指導者はほめるという評価を怠っている人が多いように思います。ベタ褒めなんて求めていません。一言、『よし!勝ったな!』とか、『頑張ったな』と言えばそれでいいのです。それがあるだけで、その後の指導が厳しいものであっても、受け入れて、次向けて頑張ろうと思うのです。強豪校と呼ばれる学校の指導者を見ていると、怒鳴ってばっかり。檄を飛ばしてばっかり。ほめることなんてこれっぽっちもしていない。よくあれで生徒が付いて行くなと思います。私ならやる気がどんどん削がれてしまいます。多分、自分がそういう環境で育ってきたからでしょうね。そんなもの、目の前の子どもたちには関係ないのに。そんな指導を受けて育った子どもが指導する立場になった時に、また同じように目の前の子どもたちを指導する。負の連鎖です。


なぜそれでも生徒が付いて行くかというと、強豪校の生徒は強い選手だからです。例えば強豪と言われる高校にはこれまた強豪と呼ばれる中学校から選手が集まり、スポーツ推薦などで、学力試験を受けなくても入学できる制度が整っています。いわゆる特待という制度です。ある程度技術を持っており、体もそこそこはできている。勝つことが当たり前と考えている。そんな子たちを指導するのです。怒っても怒鳴っても生徒はついてきます。では、同じやり方で1回戦で負けていく学校の選手の指導が成り立つかというと、成り立たないと思います。


だからこそ、まず、よくても悪くても結果を評価する。そして、さらなる技術向上、結果の改善に向けたアドバイスをする。評価もせず、アドハイズもせず、どうやったら勝てるのか考えろ!とか、頭を使えとしか言わない指導者なんて、どんなに実績を持っていても、すごいとは思いません。それを教えるのがあなたの役目なんです。

結果に対する評価と適切なアドバイスができる指導者を指導力がある指導者だと考えます。


教師になって、剣道部の顧問を持ったら、このやり方で上位に入るチームを作りたいと考えています。1回戦で負けるチームも2回戦、3回戦と進めるチームにしたいと考えています。


今日は少し批判が多かったですが、14年間してきた剣道を、今は違う視点で見れています。指導者のあり方についても少しずつ考えを持ててきています。剣道以外のスポーツの指導をする機会もあり、またまだ狭いながらにも以前よりいろんな角度から剣道を見れています。だからこそ、剣道しかしていなかった時には何とも思わなかったことが不思議に思えたり、このやり方はどうなんだろうなと思えるようになったので、今日は私の経験とそれを絡めながら書いてみました。

剣道をやっている人からは少し怒られそうなことも書きました。しかし、これが今の本音です。


長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。